Movement

2007.05.23 On Sale
Roving Spirits / Scenic Roots : RKCP-5010
\2,300 (tax-included)

1st ALBUM

MOVEMENT

ムーブメント

1. Movement
2. Birth
3. Ray
4. Eccentric Interlude
5. Skyscape
6. A Piece Of Peace
7. らいおん
8. エキセントリック トーキョー
9. Take Me High
10. Trio Jam
11. 自然のままに

total time 47:12
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世の中には“不器用な天才”という人がいて、僕の世代ならオリジナル・ラヴの田島貴男などはその典型だが、このアルバムの主役Nobieもきっとそのタイプに違いない(本人は全くそんな意識はないだろうけど)。僕はそんな天才Nobieに直感的に惚れてしまっているから、このコメントもきっと客観的にはなりえないことを、あらかじめお断りしておく。

いま、この国(世界)の音楽をめぐる状況は、瀕死の危機に直面している。僕には天才Nobieの苛立ちがよくわかる。かくいう僕も若い頃は、この業界でいま、のうのうと下らないレコードを作っている連中はさっさといなくなれ、と思っていた。怒り、憤り、軽蔑、いきがり。プライド、自意識、気負い、そんなもどかしい感情が心の中を渦巻いていた。

だからNobieの歌にも、ある種の傲慢さや不遜さを感じる人もいるかもしれない。 しかし僕は、その無防備さ、過剰なほどの正直さを美しいと思う。粗削りさや固苦しさも含めた直接的な表現の強さや潔さに惹かれる。その声と MICROKORGに、僕はある瞬間、絶望的なまでに恍惚となる。Nobieの歌うブルースには、ある種の諦念と優しさの果てにしか生まれるはずのない叙情さえ漂うのだ。もちろん誰にでもお薦めするというわけではないけれど。

言ってみれば、このタフでロウでルーズなファンキー・ミュージックは、自分を信じる人間の音楽だ。逆にいえば、この良さは自分を信じられる人間にしかわからない。 よくある他の女性アーティストの歌のように、安易に同性の共感に訴えるものではないし、容易に同性の共感を集めるものでもないだろう。Nobieがこれから、この天才の避けがたい受難をどう乗り越えていくのか、僕はそれを楽しみにしている。でも彼女は近い将来、ここに記録された自分さえも照れくさく、青くさく思うときが来るのだろう。それもまた“不器用な天才”の証である。

橋本徹 (SUBURBIA)




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